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2021.12.27
夜空の向こう

麓から車で30分くらい走った山の中に、その建物はあった。
夜もどっぷり更けた頃だから物音ひとつ聞こえない。
あるとすれば時折そよぐ風の音くらいだろうか。
12月も終盤だというのに何故か今夜は心地良い。
しばらく天を仰ぎ目を閉じる。
「夕方から始まった宴には、ふんだんに花が飾られたことだろう。」との妄想。
2年続いた厳しい冬が過ぎれば、希望に満ちた2022年がやってくる。
いや、以前過ごした当たり前の世界へと回帰するのだ。
夜空の向こうには、もう春が待っている。
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