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    パンパス人気が3回目の秋を迎えました。
    目新しい花材であったことからSNSで火がつき、瞬く間に日本中を席巻したパンパス。
    以前は特徴的過ぎるフォルムから加工(デザインを施す)しづらい素材と考えられてきましたが、
    さすがに3年目ともなると、その扱いにも進化が表れてきました。

    出荷状態でのパンパスは竿状で、
    幾重にも重なった外側の皮をむいて穂を露出させます。
    数日をかけて穂は広がり、やっとデザインに使える素材となってくれます。

    今回のオーダーは、チャペルの式台背後にセッティングするタペストリー(綴り織り)。
    柔らかな質感を表現できるよう、風合いに注意を払いながら丹念に織り込んでいきます。

    仕上げにドライマテリアルを挿し込んで完成。
    ランダムに配置されたヴァージンロードのTOPを飾るオブジェとしてチャペルに設えます。

    長らく素の状態で使用されるケースが多かったパンパス。
    私たちも流行の素材として扱い、手を入れないことが当たり前となっていましたが、
    今回のオーダーは素材への新たなチャレンジを促してくれました。
    それはフローリストとしての原点を想い起こさせてくれた機会ともなったのです。

    慣れではなく向き合うことで、素材の可能性は昇華し続けると私は考えています。

    横浜アトリエ 辻 愛永

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