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    引き込まれそうなルックスの持ち主、プロティア・ニオベ。
    南アフリカ原産の花先がベルベットにも似た<そいつ>は出会った瞬間、私を虜にした。
    苞 (ほう) が花びらのように見え、限りなく黒に近い深紫の色合いはフォルム同様エッジが効いている。
    数本束ねただけでも十分にブーケとして呈をなす個性派と、お客様の要望により対峙することとなった。

    ペアする花材は、<そいつ>の仲間内で固めて尖がったニュアンスにするのが分かり易い。
    ただ仲間内は、趣き同様 色合いもクール。つまりシック。平たく言うと暗いのだ。
    お互いに殺しあうカラーリングはあまりにもモッタイナイ。
    結果、周りには名脇役のグリーンを配した。
    主役にすることが虜にした相手への敬意だと感じたから・・・。

    <そいつ>の花言葉、「風格、自由自在」に寄せて。

    広島アトリエ 坂本 安由桂

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